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SCOP OpenOffice.org文書にXML署名を追加するコンポーネント |
SCOPは、OpenOffice.orgの文書に、XML署名、XML暗号情報を追加するコンポーネントです。
XML署名形式の文書では、W3CによるXML-Signature形式の署名情報が、OpenOffice.orgの文書形式に加えられます。
署名された文書は、誰が署名したのかを証明することができ、かつ文書が改変された場合は、それを検知することができます。
XML暗号形式では、XML-Encryption形式の暗号情報が付加され、本文は暗号化されます。
復号できる秘密鍵を持つ人以外は文書を読むことができません。
署名、暗号文書はどちらも拡張子として .sig を利用しますが、文書が署名なのか暗号なのかは、内部で判定されます。これらの文書の形式は、署名暗号情報が追加されている以外はOpenOffice.org と互換で、SCOPを追加していないOpenOffice.orgでも読み込むことができます。(但し暗号形式は「もちろん」読めません)
暗号のアルゴリズムには、PGP公開鍵暗号が利用されます。
SCOPはPGPの鍵の値を利用しますが、既存のPGPツールで行う暗号署名の形式とは違っています。
鍵の値を利用して、XMLの規格に準拠した署名暗号情報を付加しています。
SCOPが作成するPGP鍵は、OpenPGPに準拠しています。
ですが、他のPGP実装と鍵を相互に利用するためには、次の条件があります。
PGP実装 |
利用条件 |
SCOP |
SCOPが作成する鍵は、 PGP-v4 DSA 1024bit の署名用プライマリ鍵と、RSA 1024bit の暗号用サブ鍵です。 |
PGP-6.5 |
SCOPが作成した鍵はインポートできます |
GPG-1.2 |
SCOPが作成した鍵は、プライマリ鍵のみ、OpenPGP互換モードでインポートできます
ElGamalアルゴリズムには対応していません |
SCOPは、 OpenOffice.org のアドオンコンポーネントとして作成されています。この方法を利用するとOpenOffice.orgに手を加えずに、さまざまな機能を付け足すことができます。
SCOPは、現在のところ次の環境で動作します。
対象 |
動作条件 |
OpenOffice.org |
OpenOffice.org1.1.0 または StarSuite7.0 |
Linux |
kernel2.4 以上、glibc2.2以上 |
Solaris |
動作しません |
Windows |
動作しません |
Windows,
Solaris では「まだ」動作しません。また、いくつかの制限事項もあります。
SCOPはオープンソースです。
バイナリ形式を利用して試すことも、ソースコードを利用して新しい機能を加えることもできます。
SCOPのソースコードは、アドオンコンポーネント、フィルタコンポーネントの実装サンプルとして利用できます。
ソースコードからビルドする場合には、OpenOffice.org_SDK_1.1, OpenSSL-0.9.7以上が必要です。
パッケージ |
ファイル名 |
サイズ |
バイナリパッケージ |
2119257 |
|
ソースパッケージ |
677941 |
パッケージファイルはオープンデスクトップ推進協議会のダウンロードサイトへリンクしています。
ライセンスは、修正BSDライセンスとしています。
ソースコード、およびバイナリパッケージはライセンスに従いご利用頂けます。
詳しい説明は、パッケージの中にOpenOffice.org文書形式のドキュメントがあります。
また、このドキュメントには、事前に署名したサンプル文書、及び署名検証のための公開鍵を含んでいます。
まだまだ発展途上ですが、「捺印できるオフィススイート」を目指しています。
SCOPは、2003年度IPA(情報処理推進機構)オープンソフトウエア基盤整備事業の一環として、
オープンデスクトップ推進協議会が開発したものです。
SCOPのソースコード、付属するドキュメント、ロゴマークの版権は、
サンビットシステムが保持しています。